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インフルエンサーへの支払いと税務【完全ガイド】源泉徴収・インボイス・消費税

更新:2026年10月監修:株式会社ビスコット(2002年創業・美容PR)読了:約8分

この記事でわかること

  1. 報酬形態ごとの源泉徴収の要否(早見表)
  2. インボイス制度と経過措置、消費税の扱い
  3. 発注から支払調書までの支払いフローと、請求書の書き方
この記事の結論 インフルエンサーへ金銭報酬を支払う場合、源泉徴収の要否(個人への原稿料・出演料等は対象になり得る)とインボイス(相手の登録状況で仕入税額控除に影響)を事前に確認する。純粋な物品提供(ギフティング)のみなら基本的にこれらの論点は生じにくい。代行に一括で支払えば、個々の支払い・源泉・インボイス処理は代行側で完結し、発注側の事務が軽くなる。費用全体の考え方は美容インフルエンサーPRの費用相場、契約条項はインフルエンサー契約書の作り方を参照。
免責:税務の取り扱いは個別事情・最新の制度により異なります。本記事は一般的な情報提供であり、具体的な処理は必ず税理士・税務署等の専門的確認に基づいて行ってください。

1報酬形態のおさらい

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形態内容税務の論点
固定報酬投稿・出演に対する定額源泉・インボイス・消費税
成果報酬クリック・購入等に応じた報酬源泉・インボイス・消費税
ギフティング(物品提供のみ)商品提供、金銭報酬なし基本的に論点は生じにくい

費用の全体像は費用相場、提供型はギフティング代行を参照。

2源泉徴収の要否

個人のインフルエンサーへ支払う原稿料・デザイン料・出演料などは、源泉徴収の対象となる場合があります。一方、法人(事務所)への支払いや、純粋な物品提供のみは対象外です。

対象になり得る

個人への原稿料・出演料・デザイン料など、性質が該当する報酬。

対象外の例

法人への業務委託費、物品提供のみ(金銭報酬なし)。

源泉徴収が必要な場合、支払時に所定の税率で天引きし、支払側が納付します。該当性・税率・計算は取引の性質で変わるため、税務専門家に確認してください。

源泉徴収の要否 早見表

個人に支払う報酬のうち、源泉徴収の対象は所得税法204条1項に列挙されたものに限られます。インフルエンサー施策で登場しやすい支払いを整理すると次のとおりです。

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支払いの内容(個人への支払い)源泉徴収補足
原稿料(記事・コラムの執筆)必要原稿料・デザイン料・講演料・写真の報酬などの区分(204条1項1号)
デザイン料・写真の報酬必要同上
講演料(セミナー・イベント登壇)必要同上
モデル報酬必要モデルの業務に関する報酬(204条1項4号)
テレビ・映像・イベント等への出演料必要芸能・放送出演等の報酬(204条1項5号)
広告宣伝のための賞金必要1回の支払額から50万円を控除した残額が対象(204条1項8号)
SNS投稿のPR報酬内容次第「SNS投稿」という区分はない。原稿・写真・モデル・出演などの性質を持つかを契約内容から個別に判断
法人(事務所・会社)への支払い原則不要個人への支払いが対象(一部例外あり)
商品提供のみ(金銭報酬なし)不要金銭の支払いがないため

税率は、同一人への1回の支払金額が100万円以下の部分は10.21%、100万円を超える部分は20.42%(復興特別所得税を含む)。出典:国税庁 タックスアンサー No.2792「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」、No.2795「原稿料や講演料などの報酬・料金を支払ったとき」。

3インボイス制度

仕入税額控除には、原則として適格請求書(インボイス)が必要です。インフルエンサーが免税事業者でインボイスを発行できない場合、支払側の控除の扱いに影響します。

免税事業者からの仕入れにかかる経過措置は、令和8年度の税制改正で見直され、控除できる割合は段階的に縮小します。

免税事業者からの仕入れ:控除できる割合(経過措置)

2023年10月〜2026年9月80%
2026年10月〜2028年9月70%
2028年10月〜2030年9月50%
2030年10月〜2031年9月30%

2026年10月以降の取引から割合が変わる点に注意してください。

出典:国税庁「令和8年4月 消費税法等の一部改正について」(パンフレット)。適用関係の詳細は国税庁の最新情報で確認してください。

4消費税の扱い

金銭報酬あり

原則として課税対象

報酬(役務提供の対価)は原則として消費税の課税対象です。見積・契約で税込/税別を明確にし、インボイスの有無と併せて経理処理を整えます。

物品提供のみ

論点は生じにくい

物品提供のみで金銭のやり取りがない場合は、消費税の論点は生じにくくなります。

5支払いフロー

個人のインフルエンサーへの業務委託では、フリーランス法(2024年11月施行)により、発注時の取引条件の明示と、給付を受領した日から60日以内の支払期日の設定が求められます(従業員を使用する発注事業者の場合)。社内の支払サイトが長い場合は、契約前に確認しておきます。

1
発注(取引条件の明示)

報酬額・税込税別・支払期日・源泉の要否・インボイス登録・二次利用を、書面またはメール等で明示する。

2
納品・投稿確認

投稿・納品物が条件どおりか確認する。成果報酬なら実績を集計。

3
検収

契約で定めた基準で検収し、検収日を記録する。

4
請求書受領(インボイス確認)

登録番号・税率ごとの消費税額など、適格請求書の記載事項を確認する。

5
源泉控除

源泉徴収が必要な報酬なら、所定の税率で計算して差し引く。

6
支払・納付

期日までに差引額を支払い、源泉税は原則として支払った月の翌月10日までに納付する。

7
支払調書の作成・提出

提出範囲(例:原稿料・講演料等は同一人への年間支払額5万円超、広告宣伝のための賞金は50万円超)に該当すれば、翌年1月31日までに税務署へ提出する。

出典:公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」、国税庁 タックスアンサー No.7431「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」。源泉税の納期の特例(小規模事業者の半年納付)などは個別に確認してください。

6原稿料・PR報酬の請求書の書き方

インフルエンサーに請求書を出してもらう際、仕入税額控除を受けるには適格請求書(インボイス)の記載事項を満たす必要があります。個人のインフルエンサーは請求書の作成に慣れていないことも多いため、発注側から記載事項を伝えておくとスムーズです。

源泉徴収がある場合は、上記に加えて報酬額・源泉徴収税額・差引支払額を並べて記載してもらうと、経理処理と照合が明確になります。相手が免税事業者で登録番号がない場合は、通常の請求書を受け取ったうえで、前述の経過措置の扱いを経理で整理します。

出典:国税庁 タックスアンサー No.6625「適格請求書等保存方式の概要」等。記載例・様式は国税庁のインボイス特設サイトを参照してください。

7代行に頼む場合

代行会社を通す場合、多くは代行会社への一括支払いとなり、個々のインフルエンサーへの支払い・源泉徴収・インボイス対応は代行側で処理されます。

発注側代行会社へ一括支払い多数の個人への個別支払い・税務事務から解放
代行会社個々の支払い・源泉・インボイス代行側で処理
インフルエンサー報酬を受け取る個々のインフルエンサーへの支払い

発注側は経理負担を大きく減らせます。

?よくある質問

報酬に源泉徴収は必要ですか?
支払いの内容によります。個人への原稿料・出演料などは対象となる場合があります。法人への支払いや物品提供のみは対象外です。判断は税務の専門家に確認してください。
インボイス制度で何が変わりますか?
仕入税額控除に原則インボイスが必要です。相手が免税事業者で発行できない場合、控除の扱いに影響します。契約前に登録状況を確認します。
無償ギフティングでも税務対応は必要ですか?
金銭報酬がない物品提供のみなら、源泉・インボイスの論点は基本的に生じません。提供価額が高額な場合など、個別判断が必要なことがあります。
代行に頼むと支払い・税務は楽になりますか?
多くの場合、代行への一括支払いとなり、個々の支払い・源泉・インボイス対応は代行側で処理されます。発注側の事務負担を軽減できます。
SNS投稿のPR報酬は源泉徴収の対象ですか?
所得税法に「SNS投稿」という区分はなく、報酬の中身で判断します。原稿・写真・デザイン・モデル・出演などの性質を持つ報酬は対象となる場合があります。契約内容をもとに税理士や税務署へ確認してください。
報酬はいつまでに支払う必要がありますか?
個人のインフルエンサーへの業務委託では、フリーランス法により、従業員を使用する発注事業者は給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定め、その期日までに支払う必要があります。
請求書には何が必要ですか?
発行者の氏名・名称と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの対価の額と適用税率、税率ごとの消費税額等、受領者の氏名・名称です。源泉徴収がある場合は源泉税額と差引支払額も明記してもらうと処理が明確になります。

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※税務の取り扱いは個別事情・制度改正により異なります。本記事は一般的情報であり、具体的処理は税理士・税務署等の確認に基づいてください。