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Reference|広報・プレスリリース

化粧品プレスリリースの薬機法NG例とOK言い換え|記者に届く書き方

更新:2026年10月監修:株式会社ビスコット(2002年創業・美容PR)読了:約9分
この記事の結論 プレスリリースは「報道向けの資料」でも、商品名を挙げて購入を促し、一般の人が見られる状態なら薬機法上の広告と判断され得る。リリースで起きやすいのは、効能の断定・56項目の逸脱・根拠のないNo.1・医師の推薦・効果の体験談・安全性の保証。記者が求めるのは誇張ではなくニュース性と確かな事実なので、言い換えても伝わる力は落ちない。表現の考え方の全体像は薬機法・ステマ規制の表現ガイドを参照。
免責:本記事は一般的な情報提供であり、個別のリリース表現の適法性を保証しません。最終判断は医薬品医療機器等法・関連通知の原文および専門家・行政の確認に基づいてください。

薬機法上の広告に当たるかは、旧厚生省の通知(平成10年9月29日 医薬監第148号)で示された3要件で判断されます。3つすべてを満たすと広告とみなされます。

①顧客誘引性

顧客を誘引する(購入意欲を昂進させる)意図が明確であること。価格や販売情報の記載は典型例。

②特定性

特定の商品名が明らかにされていること。写真などから商品が特定できる場合も該当し得る。

③認知性

一般人が認知できる状態であること。配信サービスや自社サイトでの公開は該当しやすい。

新商品のリリースは「商品名・価格・発売日・販売店」を載せるのが通常で、リリース配信サービスや自社ニュースページで誰でも読める状態になります。そのため多くの商品リリースは3要件を満たし得ると考え、広告と同じ基準で表現を確認するのが実務的です。また、医薬品等適正広告基準は新聞・雑誌・テレビ・ウェブサイト・SNSなどすべての媒体の広告を対象としています。

記者がリリースの文言をそのまま記事にすることもあります。「記事になれば広告ではない」と考えず、配信する時点で適正な表現にしておくのが基本です。

2リリースで起きやすいNG6類型

効能の断定・保証

「シミが消える」「肌悩みを解決」など。効能効果を保証する表現は医薬品等適正広告基準で認められていない。

56項目・承認範囲の逸脱

化粧品で「エイジングケアで若返る」「毛穴が消える」など、効能の範囲56項目や部外品の承認効能を超える表現。

根拠のない最上級・No.1

「最高の保湿力」「売上No.1」「日本初」。効能・安全性の最大級表現は不可。No.1等は客観的根拠が必要。

医師・専門家の推薦・お墨付き

「皮膚科医も推奨」「○○研究所推薦」「特許取得で効果実証」。医薬関係者等の推薦や公認を示す広告は不可。

効果の体験談・ビフォーアフター

「モニターの9割が肌の変化を実感」「使用前後の写真」。効果・安全性の体験談や、範囲を超える効果を誤認させる比較写真は不可。

安全性の保証

「副作用なし」「敏感肌でも絶対安心」「赤ちゃんにも安全」。安全性を保証する表現は不可。

このほか、浸透の表現にも注意が必要です。化粧品では「角質層まで」の浸透は事実であれば表現できますが、「肌の奥深くへ」「肌の内側から」のように角質層より奥への作用を示す表現は認められないとされています。

3NG↔OK 言い換え表

リリースで使われがちな表現を、範囲内の言い方に置き換えた例です(一般的な考え方の例示で、商品区分・承認内容・根拠資料により可否は変わります)。

NGになり得る言い換えの方向性
シミ・くすみが消える新美容液(部外品)メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ薬用美容液(承認効能の範囲で)
塗るだけでシワが改善乾燥による小ジワを目立たなくする(効能評価試験済みの場合)
年齢肌を若返らせる年齢を重ねた肌のお手入れに。うるおいを与え、肌を整える
肌の奥深くまで浸透し内側から修復角質層まで浸透(事実の場合)し、うるおいを与える
最高の保湿力を実現保湿成分○○を配合(配合目的を事実で示す)
売上No.1の大人気クリーム「○○調べ・調査期間・対象」を明記した客観的根拠のある表示に限る
皮膚科医が推奨する処方開発の経緯・監修の事実を、推薦や効能保証と読めない形で記載
モニターの9割が肌の変化を実感使用感(しっとり・べたつかない等)に関するアンケート結果として、条件を明記
副作用ゼロ、誰でも安心アレルギーテスト済み(※すべての方にアレルギーが起きないわけではありません)等、試験の事実と注意書き
特許成分で効果を実証商品の広告では特許表現を避け、成分の特徴は配合目的の範囲で記載

※使用感に関するアンケートでも、効能効果の実感と読める設問・見せ方は避けます。「新発売」「新しい」は発売後12か月程度を目安に使用できるとされています。

4記者に届く構成

美容担当の記者・編集者は毎日多くのリリースを受け取ります。目に留まるのは「すごい効果」ではなく、読者に伝える価値のある新しさと、確かめられる事実です。企業広報の実務では、次の構成が基本になります。

1
タイトル:ニュースの核を一文で

何が新しいのか(新発売・新処方・新技術・調査結果)を具体的に。誇張の形容詞より、固有の事実を入れる。

2
リード:5W1Hを冒頭3〜4行で

誰が・いつ・何を・どこで発売するのか。ここだけ読んでも内容が分かるように。

3
背景:なぜ今この商品なのか

生活者の悩みや市場の変化など、記事の切り口になる社会的な文脈。数字を使う場合は出典を明記。

4
商品特長:事実と範囲内の効能

配合成分(配合目的)、使用感、デザイン、容量。効能は化粧品56項目・承認効能の範囲で。

5
商品概要・素材

商品名・区分(化粧品/医薬部外品)・価格・発売日・販売店。高解像度画像やサンプル手配の案内。

6
問い合わせ先

報道関係者向けの窓口と、一般向けの窓口を分けて記載する。

タイトルの言い換え例

タイトルは最も読まれ、最も誇張が入りやすい部分です。効能を盛るのではなく、新しさの中身を具体的にすると、記者にとっても判断しやすくなります(いずれも架空の商品を想定した例です)。

NGになり得るタイトル言い換えの方向性
塗るだけでシミが消える!話題の美白美容液が登場【新発売】メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ薬用美容液を○月○日発売(部外品・承認効能の範囲で)
皮膚科医も絶賛、最強のエイジングケアクリーム40〜50代の乾燥悩みに向けて開発。保湿成分○○を配合したクリームを発売
9割が若返りを実感した奇跡のオイル使用感調査で「べたつかない」の回答が多数(調査概要を本文に明記)のフェイスオイル

根拠資料を手元にそろえておく

記者や編集者から「この数値の出典は?」「試験の条件は?」と確認されることは珍しくありません。数値・調査結果・試験データを使う場合は、調査主体・対象・人数・期間・方法をすぐに示せるよう、配信前に資料を整理しておきます。答えられない数値は、そもそもリリースに載せないのが原則です。

記者が使いやすい

事実が整理され、出典が明記され、画像やサンプルの手配方法が分かる。言い換えても魅力が伝わる。

記者が使いにくい

最上級表現や効能の断定が多く、根拠が書かれていない。記事化の際に記者側が表現を削る手間がかかる。

リリースは媒体露出の入口であり、その後のインフルエンサー施策や店頭販促とも訴求がつながります。リリースの段階で「言える表現」をそろえておくと、インフルエンサー向けの表現ガイドラインにもそのまま展開でき、施策全体の表現がぶれにくくなります。

5研究リリース・データの扱い

成分の研究成果や学会発表を発信すること自体は、企業広報として一般的です。ただし、研究結果を商品名と結び付け、成分の作用を商品の効能のように読ませると、商品の広告として問題になり得ます。

6配信前チェックリスト

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?よくある質問

プレスリリースは広告ではないので薬機法は関係ありませんか?
関係します。顧客誘引性・特定性・認知性の3要件を満たせば広告と判断され得ます。商品名を挙げて購入を促すリリースを一般公開すれば該当し得るため、広告と同じ基準で確認します。
リリースで「売上No.1」と書けますか?
根拠次第です。No.1表示には客観的な調査に基づく合理的な根拠が必要で、調査の対象・期間・出典を明記するのが基本です。効能効果や安全性の最大級表現は認められていません。
皮膚科医のコメントを載せてもいいですか?
注意が必要です。医薬関係者等が商品を推薦・公認しているかのような広告は認められていません。監修の事実を伝える場合も、推薦や効能保証と読めない構成にします。
モニターの体験談やビフォーアフター写真は使えますか?
効果や安全性の体験談は認められず、使用感の体験談は差し支えないとされています。使用前後の写真も、範囲を超える効果を誤認させるものは不可です。
研究成果のリリースなら効能を書けますか?
研究発表と商品の広告は分けて考えます。研究リリースで商品名と結び付け、成分の作用を商品の効能のように読ませると問題になり得ます。研究と商品の情報を分離する構成が安全です。

参考:厚生省医薬安全局監視指導課長通知「薬事法における医薬品等の広告の該当性について」(平成10年9月29日 医薬監第148号)、厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)、東京都保健医療局「医薬品等適正広告基準について」(講習会資料)、厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)。

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※本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。言い換え例は考え方の例示で、個別の表現の適法性を保証しません。商品区分・承認内容・根拠資料により可否は異なります。最終判断は法令・通知の原文および専門家・行政の確認に基づいてください。